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福翁百話② [書籍]

三話・天道人に可なり

経済人と言われる人が、営利を重んじて財産を増やそうとしたり、
政治家が懸命に功名を立てようとしたりするのは、子供が欲張ってお菓子や玩具を取り合い、
お山の大将になって仲間を見下し、恥も義理も知らず、自分が何を必要とするかも知らず、
大将になって得なのかどうかもしらず、ひたすら自分のことだけを思って威張ろうとするのと異ならない。

彼は三歳の小児、こちらは三、四十歳の小児で、多少外見の様子が違うだけである。
この老小児たちが、国内にて争う心あれば、外国に向かって争うのも、自然の成り行きである。
世界の各国が群れをなしての郡児と郡児とのけんか、これを称して戦争と言う。

こうした小児の心は、どうしても免れないものだが、私は、希望の限界を千万年の遠くにおいて、
自然の法則に任せて小児の成長を期待したい。 
(一部分抜粋)

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パリ国立自然史博物館にて撮影


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福翁百話① [書籍]

1万円札でもなじみの深い、明治の代表的な啓蒙思想家「福沢諭吉」。
その福沢諭吉が折にふれて話したことを、筆で綴った「福翁百話」。
宇宙の話から、男女の情愛まで文語体を平易な現代語に訳した、読みやすい100の話。
福沢は「自分たちの今日があるのは先人の辛苦の賜物であって、その恩に報いるためには、
更に辛苦を重ねて子孫に役立つことをしなければならない」ということも、述べている。珠玉の1冊。

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十話・人間の心は広大無辺なり(人生は理屈通りでないからこそ安らかである)

人間の一生というのは、見る影もないウジ虫と同じで、朝の露の乾く間もない50年か70年の間を、
何とはなしに遊びながら生きて、やがて死んでいくまでのことだから、
自分の身をはじめ、すべての物事を軽く見て、やたら真面目すぎないほうがよい。
生まれるということは死ぬということの約束であって、死も格別驚くことではない。

まして、浮世の貧富苦楽などは驚くにあたらない。人生における浮き沈みは定まっていないだけではなくて、
貧しい人が必ずしも常に、苦しみの中にいるのでもなければ、富める人が必ずしも常に、楽しさの中にいるのでもない。
苦痛も安楽も一時の遊びであって、その時が過ぎれば消えて跡形もなくなるのである。

このことを知るのが、心を安定させるための、最も大切な方法であることをまず深く胸の中に収めておいて、
さて、それでは、今日の浮世を渡るには、その方法をどう使っていったらいいのだろうかと、考えてみたい。(一部抜粋)


カバー写真・パリにて撮影



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反・幸福論 [書籍]

稀大の思想家「佐伯啓思」が、柔らかい筆致で語る、日本人の禍福の真理が詰まった啓蒙書。

社会的に「自由」であること、経済的に「豊か」であること
このふたつが幸福の基本条件だと思い、戦後ひたすら走りつづけた日本。
しかし、ある程度それを達成してみると、どうやら話はそれほど単純ではない、とい言うことになってきました。
本書では、今日の日本で起きた出来事を素材にして、
今日の日本人が忘れてしまった価値について考えてみたいのです。
日本の伝統的精神のなかには、人の幸福などはかないものだ、という考えがありました。(中略)
現世的で世俗的で利己的な幸せを捨てるところに真の幸せがある、というような思考がありました。
それがすべていいとは思いませんが、かっての日本人がどうしてそのように考えたのか、
そのことも思いだしてみたいのです。(著者「はじめに」より

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新潮新書


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マオ(誰も知らなかった毛沢東) [書籍]

以前から読みたかった本、ユン・チアン著・マオ「誰も知らなかった毛沢東」をBOOKOFFで見つけた。
全世界で1,000万部以上売り上げ、
20世紀中国の歴史を白日にさらした衝撃作。
農民を虫けらの様に扱った大飢餓、冷酷無情、徹底した粛清と弾圧のすさまじい権力闘争、
そして1,000万人を殺したと言われる文化大革命を遂行した、歴史上稀有のモンスター「毛沢東」。
日本人には到底理解できない凄まじい真実。分厚い本だが一気に読んでしまった。

王朝が変わるたびに大殺戮が行われたDNAを持ち、世界の中心は我々であると言う「中華思想」。
その中国の隣人。平和ボケで丸裸、金儲けしか興味のない日本。戦後の占領政策により、国家観を喪失した日本人。
冷静に、心して考えなければいけないと思う。

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売国奴に告ぐ! [書籍]

今、新進気鋭の、京大大学院準教授「中野剛志」氏と、経済評論家・作家「三橋貴明」氏が、
財務・経済官僚、財界、多くの政治家や経済評論家、大手マスコミがこぞって主導する、
現在の日本に蔓延している「TPP」「構造改革」「グロ―バリズム」「増税」「政治主導」などに
関する情報のウソや歪みを暴き、そのデタラメの元凶を追及し、徹底的に論破する。
あわせて10年つづく日本のデフレスパイラルから、いかに脱却するかの処方箋も。
興味ある方は是非! *いま日本に迫る危機の正体「売国奴に告ぐ!」 徳間書店

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羽仁もと子「子供読本」 [書籍]

知り合いの「娘さん」とお勧めの本の交換。その時の礼状。

Nちゃん、本ありがとう。

巻頭の言葉「思想しつつ、生活しつつ、祈りつつ」良いですね。

最近の大人は目先の損得ばかり目が行って、

思索したり、哲学したりしない人が多いように思えます。
昔話やことわざには、先人達の英知が詰まっていると思います。
大人にこそ読ませたい本です。
おじさんも故事、ことわざが大好きです。
Nちゃんも好きな言葉いくつかあると思いますが、
おじさんの好きな言葉は、ことわざではないですが、
粋か野暮か」志ん生の「我慢、我慢だも、てーげーにしろ
旧海軍兵学校の五訓のひとつ「至誠にもとるなかりしか」です。
 兵学校の生徒が一日の終わりに自問自答したそうです。
*戦後、素晴らしい五訓なので、アメリカ海軍「アナポリス士官学校」でも採用されました。

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*羽仁もと子著作集「子供読本」 羽仁もと子・日本で女性初のジャーナリスト。自由学園の創立者。 


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沈黙入門 [書籍]

もう語らず、求めず。怒らない。「自分」から自由になる・沈黙入門 小池龍之介著 幻冬舎

手習いその1  まったく何かにケチをつけずに1日をすごしてみる
手習いその2  天皇陛下のようにスロウに、徹底的に自己を抑制して喋る
手習いその3 正義で相手を論破することをやめる
手習いその4 「買いたい」「食べたい」欲望に駆られたら、「ドウデモイイ」と念じる
手習いその5 身近で大切に思う人に対してこそ、つねに幻滅しておく

*小池龍之介 1978年生まれ、山口県出身。正現寺住職、月読寺住職。東京大学教養学部卒。
2003年、ウェブサイト「家出空間」を立ち上げる。2003年から2007年まで、
お寺とカフェの機能を兼ね備えた「iede cafe」を展開。 
現在は「正現寺」(山口県)と「月読寺」(東京・世田谷)を往復しながら、
自身の修行と一般向けに瞑想指導を続けている。
イエデ空間 http://iede.cc/

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宇宙は何でできているのか [書籍]

東京大学数物連携宇宙研究機構。数物とは数学と物理を連携させる学問。
その少し長たらしい名前のついた研究機関の「村山斉さん」が執筆した「宇宙はなにでできているのか」。
最先端の宇宙のことが分かる、おすすめの本。

*原子全体が野球場だとすると、原子核は野球ボールの大きさ。それよりさらに小さいのが素粒子。
*目に見える星やガスを全部集めても、宇宙全体の重さの4%にしかならない。
*残り96%のうち23%は正体不明の「暗黒物質」。73%はさらに得体のしれない「暗黒エネルギー」。
*誕生直後の宇宙は素粒子が飛び交う高温高圧の火の玉だった。
*私たちの体は超新星爆発の星くずでできている。
*素粒子ニュートリノは毎秒何十兆個も私たちの体を通り抜けている。

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ココ・シャネルの言葉 [書籍]

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知り合いにすすめられた本【女を磨く ココ・シャネルの言葉】。
パリの洋裁店で貧しいお針子から出発したシャネル。
人間として女性として、彼女の才能や魅力に引き寄せられた、多くの実業家や芸術家の男たちに支えられ、
「20世紀のもっとも影響力のある女性デザイナー」として賞賛されるまでになったマドモアゼル・シャネル
媚びない、おもねない、妥協しない。女の自立を成し遂げた先駆者的生き方。
La mode (ファッション)、 Les amours (恋)、 La Creation (仕事)、 Le Sens du beau (美意識)、
フランスのエスプリのきいた、すばらしい彼女の言葉の数々。特に女性にはおすすめの本です。[ぴかぴか(新しい)]

欠点は魅力のひとつになるのに、
みんな隠すことばかり考える。
欠点はうまく使いこなせばいい。
これさえうまくいけば、
なんだって可能になる。

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哲学者「中島義道」 [書籍]

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哲学者「中島義道」の本3冊紹介します。
「働くことがイヤな人のための本」「狂人三歩手前」「私の嫌いな10の人々」
そうだ今日は軽く哲学しちゃおうと思ったら、面白い本です。
哲学とは徹底的にものごとを懐疑することから始まるからね。
フランスの哲学者「メルロ・ポンティ」も「真の哲学とは、世界を見ることを、学びなおすことである。」と言っている。
世の通俗や欺瞞をひきはがす反社会的思考。
そうとう毒があるので、食あたりならぬ、読みあたりにご注意
「私の嫌いな10の人びと」(新潮文庫)のほんの「さわり」を引用します。

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