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福翁百話② [書籍]

三話・天道人に可なり

経済人と言われる人が、営利を重んじて財産を増やそうとしたり、
政治家が懸命に功名を立てようとしたりするのは、子供が欲張ってお菓子や玩具を取り合い、
お山の大将になって仲間を見下し、恥も義理も知らず、自分が何を必要とするかも知らず、
大将になって得なのかどうかもしらず、ひたすら自分のことだけを思って威張ろうとするのと異ならない。

彼は三歳の小児、こちらは三、四十歳の小児で、多少外見の様子が違うだけである。
この老小児たちが、国内にて争う心あれば、外国に向かって争うのも、自然の成り行きである。
世界の各国が群れをなしての郡児と郡児とのけんか、これを称して戦争と言う。

こうした小児の心は、どうしても免れないものだが、私は、希望の限界を千万年の遠くにおいて、
自然の法則に任せて小児の成長を期待したい。 
(一部分抜粋)

FukuzawaYukichi.jpg
パリ国立自然史博物館にて撮影


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