反・幸福論 [書籍]
稀大の思想家「佐伯啓思」が、柔らかい筆致で語る、日本人の禍福の真理が詰まった啓蒙書。
社会的に「自由」であること、経済的に「豊か」であること、
このふたつが幸福の基本条件だと思い、戦後ひたすら走りつづけた日本。
しかし、ある程度それを達成してみると、どうやら話はそれほど単純ではない、とい言うことになってきました。
本書では、今日の日本で起きた出来事を素材にして、
今日の日本人が忘れてしまった価値について考えてみたいのです。
日本の伝統的精神のなかには、人の幸福などはかないものだ、という考えがありました。(中略)
現世的で世俗的で利己的な幸せを捨てるところに真の幸せがある、というような思考がありました。
それがすべていいとは思いませんが、かっての日本人がどうしてそのように考えたのか、
そのことも思いだしてみたいのです。(著者「はじめに」より)
新潮新書
2012-03-27 09:35
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