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春の漢詩ニ首 [漢詩]

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唐の「杜甫」作、五言絶句。春ののどかな風景を表現した詩。

遅日 江山 麗しく  春風 花草 香ばし  
泥とけて 燕子飛び  沙(すな)暖かにして 鴛鴦(えんおう)睡る

暮れるのが遅い春の日ざしに、川も山もうるわしく、
春風に吹かれて、花や草もかんばしい。
泥がとけたので、燕は巣を作ろうと飛びまわり、
川べりの砂が暖かなので、一つがいのオシドリが眠っている。

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同じく「杜甫」作の「春夜喜雨」。五言律詩。ひそやかに降る春の雨。しっとりとした華麗な春の花。

春夜 雨を喜ぶ

好雨 時節を知り  春にあたりて  すなわち発生す
風に随(したがい)て  潜(ひそ)かに夜に入り
物を潤(うるほ)して  細やかにして声無し
野径 雲 俱(とも)に黒く  江船 火 独り明らかなり
暁に紅の湿(うるほ)へる処を看れば  花は錦官城に重からん

うるおいの雨は降るべき時節を心得ており、雨を望む春の宵に降りだした。
風にのってひっそりと真夜中に降り、万物にうるおいを与え、細やかに音もない。
野の小道は雲につつまれて黒々と沈み、江に浮かぶ船の灯だけが、ぽつんと明るい。
明朝、紅色にしめっているのを見るとするなら、それは花が錦官城で、しっとり重たげに咲いている姿であろう。      


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