鯉と蛙 [シルバー人材日記]
振り落とそうとするが蛙は動かない。多分水温が低いため、蛙は鯉の頭の上で冬眠中。
あわれな鯉。当分の間、蛙を乗せて泳がなければならないと思う。
カラオケの集い [シルバー人材日記]
「冬場は、庭仕事ないから暇だ~。」と思っていたら、
シルバーの仲間Kさんから、「カラオケの仲間の集まりがあるから、遊びに来ない?」と連絡があった。
Kさんと世田谷線の山下で待ち合わせ、小田急線で「鶴間」にある、仲間が集まるコミュニティー・センターへ。
挨拶もそこそこに、カラオケが始まった。
霧が流れて むせぶよな波止場 思いださせて・・。
泣いてあなたの 背中に投げた 憎みきれない 雪の玉・・
さよ~うなら さようなら 元気でい~てね・・
ひとりで生きて行くなんて 出来ないと 泣いてすがればネオンが・・
濃い~昭和歌謡が飛びかう。
それにしても皆さん、長年歌い込んできただけあって、メチャメチャ上手~い!恐れ入りました!
Kさんが耳元でささやいた。
「オバサンでも、女性とデュエットすると楽しいよな!野郎だけじゃな~。
ほんとは若い子が良いんだけどよ~。ぜいたく言っちゃいけね~。」
持ち歌は裕次郎。仲間から「裕さん」と言われているKさん。コスチューム持参で、裕次郎になり切っていた。
毎日歌にダンスに楽しいわよ~。私の作った帽子どう?
カラオケの機械が古いので、本から選び手入力。
シルバーのカラオケ [シルバー人材日記]
庭そうじ仲間のMOさんから、カラオケの誘いがあった。
三茶からバスで、世田谷通りを馬事公園のカラオケBOXに、いそいそと向かった。
バス停にはMOさんとKさんが待っていてくれた。
ソフトドリンクと生ビールで軽く喉をうるおして、シルバーのカラオケが始まった。
「8トラックの時代から歌い込んで40年!故郷は長崎島原を思いだす、
青木光一 小島通いの郵便船 MOさん張り切ってどうぞ!」
http://www.youtube.com/watch?v=07zTQuobTcU
「裕次郎の持ち歌40曲!たまにマドロスハットを被り、歌い込んで幾年月!
石原裕次郎 俺は待ってるぜ Kさんも張り切ってどうぞ!」
http://www.youtube.com/watch?v=BLmL0j4vhaY
かくして3人のシルバーは、昼間平日3時間歌い放題、
なんとお1人様1,000円の豪華カラオケBOXで、歌い倒したのである。
因業爺さん [シルバー人材日記]
何とも人柄の良い、元大工MOさんとは違い、
庭仕事をした広い庭のある家の主人は、とんでもない因業爺だった。
仕事はじめに、「だいぶ偏屈で、口うるさい爺さんだけど、気にしないでね。
ハイ、ハイと言ってりゃいいんだから・・。」 とMOさんに言われていた。
前回MOさんと仕事した、気の短いHさんは初日で、その爺さんと喧嘩してやめたらしい・・。
玄関先を掃除していた、陽気なおばさんと立ち話の時も、
「小金持ってるから威張ってるの。 近所でも鼻つまみなの・・。
家政婦やヘルパーさんも何人もやめたし・・。 ハッ、ハッ、ハ~」
ほどなくその爺が現れた。なるほど。因業爺を漫画に描くとこうなる、と言うような顔をしていた。
あいさつもなく、「MOさんから聞いたか? 草は1本、1本根っこから取るんだぞ!」と言って人の手元をジッと見ている。
MOさんの顔をたて、グッと堪え、しばらくしてやおら立ち上がり、
右手に鎌、左手で爺の肩に手をかけ、少し低い静かな声で、
「ご主人さ~、MOさんからやり方聞いているから・・。」と言ったら、少したじろいでいた。
「おい、ジジイ! いくつになるんだ。 いい年コキやがって・・。
寒い中お疲れ様ですぐらい、言えね~のかよ! 何だその口のききかたは、タコ!
ゼニ、カネでやってんじゃね~んだよ~。 少しは人様の役に立つと思うからやってんだ!
おめ~見たいな野郎は、世の中の人が嫌な思いするから、さっさとクタバレ!」 と啖呵が喉元まで出かかっていた。
因業爺さんの家の松。名づけて「因業の松」。
元大工・MOさん [シルバー人材日記]
庭仕事仲間のMOさんから、「広い家なのでMさん手伝ってくれない?」と連絡があった。
「MOさんの頼みごとなら断れないよ。」と快く引き受けた。
MOさんは元大工。お年は78才。元気で、温和で、いつも笑みを絶やさない素晴らしい人柄。
「長崎の天草から25の時、東京へ出てきて、大工を50年。72才まで現役だった・・。」
「当時は天草から長崎まで1日。長崎からは特急・雲仙で東京まで24時間。3日がかり。」
「Mさんのそれ、今流行りのスマホっていうの?俺もそれにしようかな・・。」
「最近、友達とよくカラオケにいくんだよ。どう、Mさんも一緒に今度行かない?」
小春日和の日。少しオシャベリのMOさんの、とりとめののない話を聞きながら、庭仕事をした。
樵(木こり) [シルバー人材日記]
庭そうじで通っている禅寺で、杉の大木の枝打ちを、「木こりのおじさん達」がやっていた。
枝打ちを終えた太い枝を足がかりに、命綱1本で目もくらむ高さまでよじ登り、
チェーンソーで切断し、ロープをかけ下から引きずり下ろす、大変な作業。
降りてきたおじさんに声をかけた。
「おじさん、そのベルトカッコイイので、写真撮らせてくれない?」と言ったら、
ちょっと自慢げにポーズを取ってくれた。
「上に登ってみっか?」
「いや、いいです、遠慮します。」
「ヘルメット被ってても、100%即死だ~!ベテランが何人も死んでる・・。
間違って自分の命綱切っちまってよ~・・。」
と言いながら、太い指で缶コーヒーの蓋を開け、ガバッと旨そうに飲んだ。
冬がはじまるよ [シルバー人材日記]
開業医のHさんから、庭の手入れの依頼があった。
草むらの中から、とぼけた石のクマ君が出てきた。
日だまりに置いてあげたら、すねた顔がちょっと笑み浮かべたように感じた。
冬がはじまるよ・槇原敬之
http://www.youtube.com/watch?v=mz2W8Pty23U&feature=player_embedded
i・Phone Instagram
梅の木の枝打ち [シルバー人材日記]
Iさんから屋根にまで掛かった、梅の木の枝打ちの依頼があった。
Iさんとは庭そうじを依頼されて知り合い、もう2年の付き合い。たまに個人的に、家の片づけやそうじを手伝っている。
Iさんは82歳。奥さんの介護を家で、ヘルパーさんとなんと15年もされているのだ。
15年。生半可な気持ちでは出来ない。ほんとうにIさんには頭が下がる。
長い脚立によじ登り、慎重に梅の木全体の形を見ながら、枝の剪定をした。
太い枝は短くノコギリで切って紐で束ね、小枝は剪定鋏で細かく切って袋づめ。
作業が終わるころには、すっかり日が暮れていた。
「いや~、すっかり庭が明るくなった!Mさん、これからも友達だと思って、よろしく頼むね。頼りにしてるよ・・。」
♪歯をみがきましょ・・。 [シルバー人材日記]
庭そうじで通っている禅寺。
朝9時、いままで鳥達のさえずりしか、聞こえてこなかったお寺の広場が、急ににぎやかになる。
隣接する幼稚園が始まったのだ。子供たちの歓声、縄とびする子、先生とわらべ歌で遊ぶ子。
教室から歌が聞こえてきた。「歯をみがきましょ、シュ、シュ、シュ、ブラシの体操・・。」
お寺の玄関先の寿老人も、この歌をすっかり覚えてしまって、一緒に歌っている。
*歯をみがきましょう http://www.youtube.com/watch?v=iraHhr-eCx8